目次
『クルーレスト』への招待
史上最安値のoneworld世界一周航空券(RTW)をファーストクラス4大陸(AONE4)で発券できました。
「oneworldのファーストクラスを制覇したい!」ルーティング昨年7月末、日本だけでなく世界のマイラー界を大いに賑わせた『史上最安値の世界一周航空券(RTW):oneworldエクスプローラー ファーストクラス4大陸』をマプト発券(モザンビーク発券)で、運良く購入する事ができました。史上最安値というだけあって「こんな機会はもう二度と無い!」と思い、oneworldに所属する航空会社のファーストクラスを全て搭乗するというブログタイトルに相応しい想いをルーティングに込めてみました。 ルート1発券時点では上記のようなルートで、16... 【発券内容】史上最安値の世界一周航空券(RTW)で『oneworldのファーストクラスを制... - マイルでファーストクラス全制覇を夢見て-【凄腕マイラー】と呼ばれたい!- |
マプト発券(ex-MPM)であった為、モザンビーク共和国の首都:マプトまで向かい、RTWを開始して日本まで一時帰国するまでの旅程:Phase1になります。
『oneworldのファーストクラスを制覇する』第1段階RTWを5回の旅程に分け、1年掛けて旅をする史上最安値のoneworld世界一周航空券(RTW)をファーストクラス4大陸で発券できました。 RTWルートしかしながら、一気に世界一周を断行するだけの休みは取れませんので、このRTWを『oneworldのファーストクラスを制覇する』大作戦と銘打ち、旅程を5回に分けて、その都度日本から出掛けては帰国するを繰り返すようにしました。ポジショニングや帰国便、途中中断・再開、のフライトを別で切らなければなりませんが、現在は第3段階(Phase 3)ま... マプト発券【oneworld世界一周航空券(RTW)ファーストクラス4大陸】~ Phase 1 - マイルでファーストクラス全制覇を夢見て-【凄腕マイラー】と呼ばれたい!- |
ワンワールド7社のファーストクラスを制覇するのが目的の『世界一周航空券(RTW)』、1社目のカタール航空、2社目のブリティッシュ・エアウェイズ、3社目のカンタスに続いての4社目の搭乗となります。また全16区間中6区間目のフライトです。
このマレーシア航空A380ファーストクラスは、今回のRTWでワンワールド7社のファーストクラスを制覇するの中でも本命中の本命。日本在住である以上、とてもハードルが高いファーストクラスだと感じていました。搭乗記も当時は、日本語サイトでは4トラベルで1記事だけ、英語の記事でもかなり搭乗記が少なかったので、希少性が高いと感じ、この際に絶対に搭乗したいという執念でルーティングしたものでした・・・。そして、その執念が実を結んだのか?、とても感激の体験をする事ができたフライトになりました。
中東を拠点に南アフリカ方面、そしてロンドンなどをうろちょろしていた旅程は、このフライトでクアラルンプールに向かう事により帰国ルートに乗る事になります。(成田→ドバイ→ドーハ→ドバイ→ヨハネスブルグ→マプト→ドーハ→パリ→ロンドン→ドバイ→ロンドン→クアラルンプール→関空。)
ボーディング
機材は【A380-861】、Ship No.は【9M-MND】。
ファーストクラス搭乗時は、真っ先にヒコーキに乗り込んで、他の乗客が居ないファーストクラスのキャビンを撮影したいが為に、搭乗ゲートには搭乗開始予定時刻の10~15分前には着くようにしています。
そして恥ずかしさ全開ではありますが、ファーストクラス専用レーンの一番前に並びます。
そしてゲートオープン。古舘伊知郎が言いそうな「さぁ一斉にシグナルはグリーンへ!そしてアイルトン・セナがポールポジションからのスタートダッシュ!」という懐かしのフレーズが頭に浮かぶ中、PBBに飛び込んで行きます。
そしてシップサイドへ。緊張は最高潮ですが上部にプレートが2つあるのは見逃しません。
ひとまず目で確認し、後ほど撮影。毎回これらを撮影するのは位置・大きさ・明るさなど、難しい事だらけです・・・。
そして入って直ぐの右手にあった、如何にもファーストクラス搭乗の記念になりそうなサインを発見!
そしてA380メインデッキの最前部に8席しかないファーストクラスキャビンに滑り込みます。ISMさんと担当FAさんにご挨拶してキャビンを撮影したい旨を申告、OKをもらって撮影を開始します。
オーバーヘッドビンのないファーストクラスキャビンはとても開放的です。
ファーストクラスでは占有する窓は2つ。
写真に写るこの日のISMさんは、とてもニコニコして、撮影を続ける私をとても温かく見守ってくれるのでした。この時はまだ、この方が後ほど感激の神対応をしてくれるとは知る由もなく・・・。
シート
マレーシア航空A380のファーストクラスは、1-2-1のコンフィギュレーションで2列、計8席です。自席はダイジェスト編でアップしましたが、事前座席指定を勝手に変更されるという経緯があったものの、自席:2Aを取り返しています。
さすがメインデッキに設置されるだけあって、ゆとりと落ち着きのような物を感じます・・・。
右側のフックを開けると、専用のクローゼットになっています。
シート周りを確認していきます。オットマン兼同行者用シート。
左手奥にシートポケット。
シートポケット内、安全のしおり。
そして機内誌の保有機材のページ。B772ERは完全に退役させたのですね・・・。
引き続き左手、サイドテーブル。
サイドテーブルを開けて、メインテーブルを引き出すタイプ。これは使いにくい・・・。サイドテーブルに乗っているグラスとかを動かさないとメインテーブルを展開できない訳ですから・・・。
左手手前には、シートとIFEのコントローラー。
その下にAC電源とUSBポート、そして収納。個人的に、手元でとても良い位置だと思います。
そして右手。肘置きを開けると更に大きな収納があります。これも使い勝手が非常に良い収納です!
そして通路側にある専用クローゼット。ハンガーが木製、ちゃんとしている感がありますね。
下には、リラクシングウェア、アメニティキット、スリッパがセットされています。
そしてお隣さんが来る前に、真ん中のペアシートも撮影させて頂きます。
この後、他のF乗客も搭乗して来ましたので、ひとまずキャビンの撮影は終了する事に。
ウェルカムサービス
炭酸水をウェルカムドリンクで頂きます。
他のF乗客が揃わない内に、ドアのところにあったMSNのプレートを撮影に・・・。すると(男性の)ISM:Bさんと、担当のFA:Aさんとドアのところで立ち話。「(写真撮るのは)雑誌の取材ですか?」と問いに、「単なるブログです・・・。」と正直に返答。すると「じゅあ、私たちも撮って!」と謎のリクエストを頂きました。。。
振り返ってみると、この時、お二人を撮影させてもらって本当に良かったと思っています。というのも、このフライトがとても思い出に残るフライトになったのは、正にこのお二人のお蔭で、そのお顔を忘れないですむから、です・・・。
機内食:ディナー
クアラルンプール行きのマレーシア航空1便は、夜9時半発で、スケジュール上は約13時間のフライト、翌日の夕方6時半に到着すると言う、今までの東行きのフライトでは経験した事のない時間帯を過ごす事になります。到着後は約5時間の待ち時間の後、レッドアイ・フライトで日本に戻りますので、このフライトで上手に時差調整をしておきたいところ。ですので最初に寝て、後は起きておこうと決め、まずは機内食をお願いしてお腹を満たし、眠りやすい環境を作る事にします。
同行者と向かい合って食事をするのにも充分な広さのテーブルをセット。
シャンパン:Joseph Perrier Cuvee Josephine 2004を先ず頂きます。
手持ち無沙汰だったのか?、ここで何故かヘッドフォンを撮っています。。。
“To Start”~Osetra Caviar
“To Start”~Celeriac and Pear Soup
“Palate Cleanser”~Refreshing Sorbet
“Main Courses”~Confit of Duck Leg
“Deserts”~Haagen-Dazs Ice Cream
ディナーはこれで終了。ベッドメイクをお願いし、その間に歯磨き&機内散策に向かいます。
機内散策~マレーシア航空A380ビジネスクラス
先ず前方階段を上がって、アッパーデッキに向かいます。
登り切ったところにあったのはマガジンラック。機内ラウンジではないのですね・・・。
振り返りアッパーデッキからメインデッキを眺めて、ビジネスクラスキャビンへ進みます。
アッパーデッキのビジネスクラスキャビン、前方のコンパートメント。
そして後方のコンパートメント。
ちょうど後方コンパートメントの最後尾に空席があったので、撮影させてもらいます。
A330に搭載されているシートの方が新型なのですが、あちらには外れの座席もあり、また詰め込んである印象が個人的にあります。ダイレクト通路アクセスではありませんが、こちらの方がゆとりを感じるのもA380という総二階建てのヒコーキだからなのかもしれません。
機内散策
そのままアッパーデッキを進むとエコノミークラスが数列あり、更にその奥にはギャレーが最後尾まで伸びていました。
奥の螺旋階段のところまで進み、振り返ってみます・・・。
左側の壁面に何やらモニターが・・・。そしてこれまた何やら認証の端末っぽいのと、乗客は入るなのドア。マレーシア航空のA380×全6機は、新しくないA380なので、「多分、ココ、クルーレスト・・・!」と推測できます・・・。
ちなみに、新しいA380ではクルーレストがメインデッキの下にあるそうです。メインデッキ最後尾のコンパートメントで、1か所Dの座席がないトコがあるとか?そこはクルーレストの非常口になっているとの事です。実機はまだ確認した事はありません・・・。
しかしながらクルーレストっぽいところを見つけられたからといって、どうするつもりもありませんし、どうこうできる訳でもありませんので、螺旋階段を下りてメインデッキに戻って行きます。
そして一気にメインデッキを前方に進みFキャビンに戻って来ると、ベッドはセッティングを終えていました。ここで就寝となります。
やがて目が覚めると、ヒコーキはマスカット上空まで来ていました。
4時間半ほど眠れたようです。目覚めの濃いオレンジジュース。
そして気付いたのが貧弱なマット・・・。というより布でした・・・。
ここでまたトイレに行くついでに、機内をうろちょろしに向かいます。ファーストクラス専用のトイレは前方に2か所。左右で違いはなく、一般的なA380メインデッキのトイレです。アッパーデッキにファーストクラスがあると、前方階段両脇が専用WCとなり、とても豪華な仕様になるのですが・・・。
カンタスと同様のサイズで、こちらは窓無しの仕様です。そしておむつ台。
それでも清掃が行き届き、アメニティは充実。限られたハード面ながらも、ソフト面:FAさん達によるケアは素晴らしいものがあります。
そしてちょっとだけエコノミークラスのキャビンに足を運んで、翼、というか翼端のウイングチップだけを撮影。とっくに夜は明けていたようです。。。
機内食:ランチ
席に戻るとKULでの優先レーン用インビテーションと・・・
コメントカード(?)が置いてありました。
「クルーには文句ないけど・・・、許可も報告も無く事前座席指定を取り消して、違う座席にアサインした事は不快」と”hesitate”なくコメントしておきました。
この後はタブレットに取り込んでいたマンガを見るなどして過ごし、到着の3時間前となったので到着地:クアラルンプールの時間に合わせ、ランチをお願いする事にしました。まずは名物の”MALAYSIAN SATAY”です。
「いつでもどうぞ」的なメニューの中から、自分的にコースを組み立てるようにしてオーダーを続けます。アペタイザー的な”Salmon Gravlax”。ナイフとフォークの置き方が雑なのは、担当のAさんが休憩中で、他の方が担当してくれていたからです・・・。
そしてメインのつもりで・・・、”Fillet Beaf with Mushroom Sauce”。お肉パサパサで硬く、選択ミスをしたようです・・・。
メインのリベンジで、マレーシア料理の”Nasi Lemak”。これは安定感のある美味しさでした・・・!
「まだいける!〆で!」とオーダーした”Egg Noodle”。
そして再びデザートは”Haagen-Dazs Ice Cream”でランチを満足・満腹で終えたのでした。
クルーレストへの招待
ランチを終え、シートで寛いでいると担当のAさんが休憩から戻って来ました。
と言って私が後方を指さすと・・・
と、こんなやり取りが続いた後、ちょっとだけ考え込んだAさん・・・。
あまりに突然のオファーに息が止まりそうになります・・・。
これは想定すらしていない、にわかに信じられないオファーです・・・!!!
とAさんはキャビンの後ろのギャレーに消えて行きました・・・。ISMは私が搭乗して直ぐに写真をバシバシ撮るのを、温かく見守っていてくれたBさん。とても人柄が良さそうだと感じていました。なので「Bさん、お願い!」と願いながら、Aさんが戻ってくるのを待ちます・・・。この約1分ほどの時間、心臓ドキドキでした。。。
そしてAさんが戻って来ました・・・!
そしてすぐさまデジイチを持ち、席を立ちます。先導してくれるAさんに続き、ファーストクラスキャビンを出て、ギャレーに差し掛かると反対側の通路にBさんがいます。両手を合わせ、お辞儀をし、ありがとうございます!と発すると、Bさんは首を少し傾けて無言で微笑み、「どうぞ」と言わんばかりに手を後方に差し出してくれました。これには涙が出そうなくらい感激しました・・・!
最後尾の螺旋階段までの途中、2回ほどAさんはエコノミークラスの乗客からリクエストを受けていました。私としては「いいところなんだから邪魔しないでよ!」というのが本音なのですが、Aさんはリクエストに応じ、座席ナンバーをチェック、次のギャレーでお仲間に伝達、というルーティーンで颯爽と機体後方に進んで行きます。「さすがファーストクラスのFA!、ちょっとこれはカッコいい!!」と感じながらAさんの後を追います。
そして螺旋階段を上がったところ、思った通りだった認証の端末に何やら入力。そしてそのドアを開けて「どうぞ」とクルーレストの中へと促してくれます!
クルーレストは「コ」の字のような形状で、出入口が二つあります。一方は入口用、そしてもう一方が出口用と決まっているとの事でした。共用のクローゼットもあります。
私にはジャンプシートのようなところに腰かけるように促してくれながらも、自分は立ったままのAさんは色々な事を説明してくれます。英語が堪能ではない私ですが、コックピットとかこういう時とか、もの凄く興味のあるヒコーキの話しの時だけは聞ける能力が一時的に向上する仕組みのようです。。。
一通り説明が終わると、これまたAさんから驚愕のオファー:「寝てみませんか?」と・・・!クルーレストは3段で、それはまるでカプセルホテルのような構造です。15床ぐらいあるベッドを見回して、せっかくなので最上段を試させてもらう事にします。
写りが悪すぎるのが恐縮なのですが・・・、頭の方にはエアコンの吹き出し口、酸素マスクが収納してありそうなフタ、IFEのリモコンのようなもの、そしてAC電源などがありました。ご覧の通り、枕とブランケットもあります。
そして足元はと言うと、カーテンがまとめられているぐらいでスッキリとしています。
実際に寝てみてAさんに言ってみました「ファーストクラスより、よく眠れそう」と。するとAさんも「そうですよ~。」と冗談っぽく返してくれます。本当にカーテンを閉める事で全くの個室です。つまりはファーストクラスのようにシートとベットが共用でなく、クルーレストはベッド専用なので寝具としてはこちらの方が優秀な訳です。もちろんシートベルトもありますが、落ちる心配もありません。
こうして一通りクルーレスト満喫させてもらい、最後にAさんに尋ねます・・・。「画像、SNSやブログに載せてもいいですか?」と。するとAさん「本人たちの名誉の為に、汚い(ブランケットとかほったらかし)ところを隠してくれたらいいですよ。」と。確かに、片付けせずに使いっぱなしのベッドが数床あったので、Aさんと大笑いしたのでした。。。
クアラルンプール到着
クルーレストの見学を終え、戻りもAさんの後をついていきます。するとファーストクラスキャビンの窓は開けられ、明るくなっていました。もう到着が近い事を感じます。
それはルートマップからも分かります。
今から20年以上前、マレー鉄道に乗りたいが為だけに訪れたイポーの近く・・・。クアラルンプールはもう直ぐそこです・・・。
そして無事に到着。クルーレストに招待される、そして実際に寝てみるという人生初体験をさせてもらったヒコーキを降機するなどしたくはありませんでしたが、空港では関空までのエコノミークラスをビジネスクラスに当日アップグレードするというチャレンジもありましたので、AさんとBさんに見送ってもらいながら、いそいそとゴールデンラウンジを目指すのでした・・・。
搭乗を終えて・・・
今までコックピットに招待してもらうという体験はしてきましたが、クルーレストへは初めての体験でした。これで今までのトップ3に入るフライトとなった訳ですが、必ずしもクルーレスト体験だけがそうさせたという訳ではありません。それへと繋げてくれた担当FA:Aさんの計らいと、それを容認してくれたISM:Bさんの包容力(?)もトップ3の要因となっています。日系や韓国系のきっちり・丁寧な接客とは少し違う、温かさのようなものをこのお二人からは感じました。
マレーシア航空にとって、本拠地:クアラルンプールとロンドンへのフライトは、使いこなせていないとの評はありますが(当時)フラッグシップであるA380をダブルデイリーで投入している最重要路線。そこに配置されるFAで、しかもファーストクラス担当である訳ですから、ISMのBさんはもちろん、担当のAさんもマレーシア航空ではきっとエース級のFAだったのではないかと思います。エミレーツA380のように、極上のファーストクラス、天空のシャワー:シャワースパ、エンターテインメント性の高い機内ラウンジ、などハードの面もフライトの善し悪しを決める要因ではありますが、私にとってはそれだけでなく、担当して頂くFAさんによってそれが大きく左右するソフト面も要因になるのだと改めて実感したフライトでした。
英語が堪能ではない自分に、根気強く、そして丁寧に接客してくれるFAさんとの巡り合わせは運以外の何物でもありません。しかしながらせめて担当FAさんには「マイルで乗ってるクセに・・・。」(この時は一応有償でしたが、大抵は特典航空券での搭乗なので・・・)とは思われないようにして、引き続き節度を守った搭乗と撮影、そして機上での交流で、良い巡り合わせを何とか引き寄せる事ができればと思っております・・・。
最後になりますが機材自体の感想と言えば、機内ラウンジもシャワーもなかったマレーシア航空のA380ですが、ファーストクラスにしてもビジネスクラスにしても広々としたゆとりがあるように感じられ、長距離路線にして乗客をリラックスさせる事に特化した『質実剛健』という言葉が当てはまる、そんな機材だったと思っております。
次回のエントリーはPhase1最後のフライトで、引き続きマレーシア航空のフライトとなります。