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Air France 77W First Class “LA PREMIÈRE”
2019年11月、エールフランス【A380と77Wのファーストクラス”LA PREMIÈRE”乗り比べ】、エティハド【アパートメントでレジデンスの撮影を目論む】旅。エールフランスはフライング・ブルー、エティハドはAAアドバンテージでの特典航空券です。
エールフランス【ファーストクラス”LA PREMIÈRE”】乗り比べの後攻は77Wになります。先攻のA380搭乗記についてはコチラ。
77Wで向かうはドバイ。AF662便。
ラウンジで「そろそろかな?」と身支度を整え、『専用車での搭乗機までの送迎』を期待してソワソワしていました。やがて男性スタッフさんに声を掛けられ、「いよいよだ!」と席を立つのですが、ついて行った方向はあのエレベーターではなく、何とエントランス! 「???」と思い、スタッフさんに「あのぉ・・・、リムジンサービスじゃないのですか?」と尋ねると、「申し訳ございません、ゲートが直ぐ下なのです・・・。」と。。。これには双方苦笑い。
ボーディング
確かにエレベーターを降りて直進したところがゲート。まあこればっかりはどうしようもありません、運みたいなものですから。ゲートにはちゃんと77Wが駐機してあり、一安心。
ゲートで待つことなく、そのままお手伝いが必要な方々に続いてPBBに突入します。
紛れもなくトリプルセブンの顔!
PPBを進んだところで搭乗順番の変更が起きます。お手伝いが必要な方々の間を縫って進むスタッフさん。すこし躊躇する私ですが、促され後に続きます。すると閉じられている左のドアがスタッフさんの手によって開けられ・・・、
正しく一番乗りでPBBを進みます。以前、凄腕マイラーさんのブログで、お手伝いが必要な方々よりも自社の最上級会員やファーストクラスの乗客を優先する、というブログを拝見したことがあったのですが、エールフランスもその方針のようです。スタッフさんからは「こちら側はファーストクラスの乗客しか使用できません」とのコメント。確かに私以外にL1ドアから搭乗してきたのは、お仲間のファーストクラスのご夫妻だけでした。
故にシップサイドでも落ち着いてシップナンバーを確認できます。
そしてお目見え、77Wのファーストクラス:”LA PREMIÈRE”
担当して頂くことになるクルーさんに、シップサイドでのご挨拶の際に撮影の許可はもらってありますので心置きなく、ルーティン:誰もいないファーストクラスキャビンの撮影を開始します。
77Wでのファーストクラスは機体最前方Aコンに1-2-1のコンフィグでたったの4席だけ。
すかさず反対側の通路に回って撮影を続けます。
実はこの77Wのファーストクラス、以前に撮影だけさせてもらった事があります。
故に初見ではないにも関わらず、興奮して撮影に没頭してしまうマニアな私です。。。
シート
1Aを事前座席指定していました。太陽の位置で判断しています。
前便同様、アメニティ、機内食メニューなどはセットアップ完了。
占有する窓は4つ。77Wのファーストクラスとしてはごくごく標準的。
77Wはカーテンで個室化されるので【Suite】と定義されるのかもです。
シート周りの撮影に移ります。
オープンタイプだったA380のファーストクラスシートにはなかったスクリーン。
そしてようやくシートに腰を掛けます。
羽田や成田に飛んで来るだけあって、ちゃんと日本語設定があります。
オットマン、A380比で同行者用のシートという要素が強まった気がします。
思った通り、ブランケットとスリッパが入っていました。
視線を左に移します。底の深い収納。あと「AC電源、こんなトコにあるの!?JALみたいで遠くて使いにくいよ・・・。」と感じられずにはいられません。
手前にはテーブルが収納されており・・・、
一度軽くジャンプさせてから・・・、
展開される仕組みです。これもA380同様1枚もの&シンプルで好印象。中には展開するのにひどく複雑なテーブルもありますからね。。。
更に手前、シート脇には・・・、
収納がありました。とても便利な位置です。
そこにIFEのコントローラーと、これまたA380比で細かい調整が可能になったシートのコントローラーが内蔵。
諸端子。AC電源が凄まじく便利な位置にもう一つにありました・・・。これには「エールフランス、先に悪態ついてゴメンなさい」と謝りたくなるほど。
これは容易に想像できるボタンで・・・、
デフォルトの状態から・・・、
第1段階・・・、
完全遮断の第2段階、とブラインドを4枚一括コントロールするものでした。理想で言えば、一枚一枚個別でコントロールできた方が良いは良いです。
シートやや後方にはランプ。コーポレートロゴがたくさん描かれております。
シートポケット。AC電源同様、手元に近くて好印象です。
当初、オットマン脇にあるAC電源の位置に難色を示してしまいましたが、手元にもう一つある事が判明してからは、印象がガラリと変わりました。手元に近いのはAC電源だけでは無く、デジイチを入れておく収納、メニューやタブレットを差し込むシートポケットまでもそうですので、私的には非常に使い勝手の良いシートである事が分かりました。
ウェルカムサービス
前便のA380同様、アメニティキット、機内食メニューなどは予めシートにセットされています。
そして担当クルーさんからのウェルカムサービスの提供が開始。
「ボトル置いた方がちゃんと撮れるんじゃない?」風にボトルを置いてくれました。ファーストクラスキャビンの撮影許可をお願いしたのも、こちらのクルーさんでしたのでどうやらマニア認定されたようです。。。
「シャンパンキャップもあなたにあげる」と・・・。
あと『マダガスカルの石』なる物も頂きました。これについては私だけ特別という訳ではなく、後ほど搭乗してこられるご夫妻にも差し上げていたので、ファーストクラスのサービスの一環だと思われます。でも前便のA380ではなかったな・・・。
さてそのご夫妻ですが、セッティングでお分かりになると思うのですが、当初は真ん中のペアシートでした。しかしながら奥様は窓側に移られ、その通路側に旦那さんも移動。よって私のお隣は空席となった次第です。
撮影に理解のある件のクルーさんはご夫妻の対応に当たられましたので、私は英語メニューとの格闘を開始します・・・。
何気なくご夫妻を見たところ旦那さんと目が合いました。すると旦那さん、シャンパングラスを私に向け少し掲げるようにして乾杯の仕草を・・・!「何て粋なんだ!!日本人同士じゃ絶対にあり得ない・・・!」と驚きましたが、何か同志として認められたようで嬉しくなり、私も同じ仕草でお返しさせてもらいました。
そんな旦那さんとまた目が合ったのコチラです。離陸時に引かれる事無く、置きっぱなしだったエビアンとグラス。離陸のGでスライドするのは分かりきっていたので、左にエビアン・右にグラスを持つ私・・・。すると旦那さんはそのデカイ左手で両方を押さえていました。「全くねぇ・・・、何で置きっぱなしかな!?」みたいな旦那さんと私のアイコンタクト。
尚、降機時にこの旦那さんとはお話しさせて頂く機会があります。
アペタイザー
シートベルトサインが消灯してから機内食サービスが開始されます。
アペタイザーはキャビアの料理。”APPETIZER” Langoustines, Oscietra caviar, tangy citrus fruit and gentian drops
チーズ味のスナック。フランスではメジャーなお菓子なのでしょうか??
引き続きシャンパンを頂いています。
担当クルーさんが空席になった隣席側のカーテンを閉めてくれました。これでご夫妻側にしても、私側にしても、双方ウィンウィンな感じになりました。
ベッドポジション
フライトは始まったばかりですが、アペタイザーだけを頂いたこの位置で・・・、
ひとまず寝る事にします。朝3時から起きている訳ですので。
ベッドと一緒にセットされていたお菓子。
実にシンプルな方法ですが、なるほどカーテンでも個室感が発揮されています。
担当クルーさんに到着2時間前に起こしてください&それから機内食を頂きます、と伝えての就寝。
機内食
その約4時間後、機内食開始です。アルコールは控える事に。
“STARTER” Crab cake with carrot and ginger
この量・・・。ご夫妻も食事が終わっているので残ったの全部出してきた感。
“DISH” Mondeuse-style venision confit 鹿肉のコンフィ。鹿肉はおそらく初めて。キシキシして全く脂身を感じられません。。。
“DESSERT” Emmauel RENAUT Citrus floating island dessert, cream anglaise 担当クルーさんから「映えるからこれがいいわよ!」的なご推薦によるもの。。。私が写真ばかり撮ってた故ですね。。。メレンゲの中にクリームブリュレ?? 映えるかどうかは不明ですが、フワフワのメレンゲ食感に、中のクリームのカリカリ食感がアクセントになって、面白いデザート。
コーヒーで締めとなります。
鹿肉にスイーツと、全便よりはフランス料理に振れた機内食でした。そして着陸時は再びエビアンとグラスが席に放置されたままでしたので、隣の隣の旦那さんと「やれやれ・・・」みたく再びアイコンタクトするのでした。
ドバイ到着
パリ-ドバイ間の中距離路線ですので、機内食後ほどなくして深夜のドバイに到着。シップサイドでは先頭のGHさんがファーストクラス乗客3名の為に待機されていました。この時に旦那さんと会話。「エールフランスのフライトはどうだった?」の問いに、「離陸と着陸が危険ですよね!」と答えると大爆笑してくれました。エビアンとグラスの件が一発で分かってくれて良かった・・・。
ふと旦那さんのキャリーに目を落とすと、エールフランスのプラチナのバゲージタグ!! 「コレすごいですね!」の私の発言に、「いーや、仕事仕事仕事仕事仕事だよ。」と苦笑い。会話を続けると、忙しくて4日間だけどドバイで休日。奥さんへの罪滅ぼしとの事。温かいドバイで日ごろの仕事の疲れを癒してほしいものです。
GHさんに続くとカートが駐車してあります。どうやらファーストクラス専用・・・!
こういう類の物は圧倒的に助手席を好む私・・・。今回も御多分に漏れずでワクワクします。
エミレーツとカンタス以外のキャリアは、ドバイ国際空港ではコンコースD。しかしながら使用するターミナル1へは徒歩では行き来ができず、モノレールでターミナル1に到着。GHさんは入国後の到着ロビーまでアテンドしてくれました。ご夫妻は両替があるとの事で先にお別れ。私はと言いますと、目指すコーヒーショップまで連れて行ってもらってからのお別れとなりました。こんなところまで案内してくれるとは・・・、なかなかここまで手厚い到着時のアテンドは他のキャリアではあり得ないかも・・・と感じながら、ホテルバスの停留所に向かうのでした。
搭乗を終えて・・・
2022年までにA380を退役させ、今後ファーストクラスは77Wのものに一本化しようとするエールフランス。その方が運用効率は良いのかもしれませんが、今の時代では全く面白味のないシートというのが率直な感想です。もはや77Wで1-2-1のコンフィギュレーションは余りにも標準的過ぎます・・・。
エールフランスはこの77Wの後継機をA350-1000にするのか?、B777Xにするのか?、リリースしていないようです。という事はしばらくは77Wを使い続けていくという事になろうかと思われますので、ファーストクラスの刷新が待たれるのではないでしょうか。その時にこそ、EK新FやCXのように1-1-1のコンフィグにするとか、フランスらしい自由な発想で今までにない斬新なプロダクトを導入するとか、さすがエールフランス!と思わせてくれるハードであったらいいなと切に願います。クルーさん方の接客などのソフト面と、空港での地上サービスは秀逸な訳ですから・・・。