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Air France A380 First Class “LA PREMIÈRE”
2019年11月、エールフランス【A380と77Wのファーストクラス”LA PREMIÈRE”乗り比べ】、エティハド【アパートメントでレジデンスの撮影を目論む】旅。エールフランスはフライング・ブルー、エティハドはAAアドバンテージでの特典航空券です。先ずはヨハネスブルグからAF995便にてパリ:シャルル・ド・ゴールに向かいます。
エールフランス【ファーストクラス”LA PREMIÈRE”】乗り比べの先攻はA380になります。2022年の全機退役がリリースされたこのタイミングで、何とか搭乗できたのは幸い。。。
出発時刻は19:50なので、暗くなる前に搭乗機の撮影を済ませておきます。FR24で確認していましたが、シップチェンジなくA380が到着しているのに一安心です。
搭乗機は『F-HPJB』
何とこのシップ、自分が搭乗した数日後に、エールフランスで最初のA380退役機となってしまったようです・・・。
大型機材好きとして、A380の退役がこれから世界的に進んでいくのは残念でなりません。
ボーディング
夜になってボーディングの時刻となりました。指定ラウンジのファーストクラス専用スペース『VIP ROOM』を早めに出て、ゲートではモバイル搭乗券を提示の上、紙の搭乗券も出してもらいます。そしてプリントアウトしてもらったGHさんのアテンドを受け、PBBを進みます。
エールフランスA380のファーストクラスはメインデッキの最前方。ML2ドアから搭乗したところ出迎えてくれたクルーさんにご挨拶。すぐさまファーストクラスキャビンの撮影許可を得て、誰もいないファーストクラスキャビンの撮影を開始します。
エールフランスA380ファーストクラスのコンフィギュレーションは1-2-1なのですが・・・、
L側のAは3列・・・、
センターのペア席は2列・・・、
R側のLは2列、と少し変則的になっていて、全9席となります。
マイルで乗る立場なので、控え目に後方の3Lを事前座席指定していました。
占有する窓は4つ。
昨今、世界中のキャリアでファーストクラスの個室化が進んでいますが、比較的早い時期にA380の運行を開始したエールフランスのファーストクラスはオープンタイプのシートになっています。このオープンタイプのシートがA380のメインデッキに設置されている訳ですので、さすがにファーストクラスキャビンはどのキャリアよりも開放的に感じられます。
シート
自席にはこれらの物がセットされていたのですが・・・、
クルーさんが「トイレはR側になるので、空いているL側の1Aだとよく寝れると思いますので移られたらどうですか?」と勧めてくれるので、1Aに移動します。。。
シートで特徴的だったのは、こちらの大きなサイドテーブル。
IFEのコントローラーだけでなく、ヘッドフォンもコードが備え付けになっています。AC電源等の端子が手元に近くて、個人的に好きな仕様。シートポケットも直ぐ手の届く位置です。
テーブルカバーを開けるのにサイドテーブル上に置いた物を移動しないといけないのはマイナス面ですが・・・、
テーブルは1枚大きいままを・・・、
ガコンと豪快に引き出して、バタンと倒すだけのシンプルな仕組み。良いと思います。
サイドテーブルとは反対側のアームレストにはシートのコントローラー。実にシンプルすぎて、ファーストクラスとしては好みが分かれそうな気がします。
オープンタイプのファーストクラスシートなので、オットマンも独立したオープンタイプ。丸みを帯びた形状は、他キャリアにはないかわいさを感じます。
オットマン上のブランケットとスリッパは3Lから移動してもらったので、元々1A用のが収納されていました。さすがにこの中に靴は仕舞えずです。。。
最後にオットマンに腰掛け、シート本体を撮影してシート周りの撮影を終えます。
機内食メニュー・ワインリスト
撮影を終えたところでウェルカムサービスとしてシャンパンを頂きます。
その後、上空に達するまではルーティンとして英語メニューとの格闘の時間。
メニューに目を通している間に他の乗客2名の方々も搭乗してこられます。そして面白い事にお二人とも席をチェンジされりようです。元々2Fであった方は、私が退いて空いた3Lへ。そして元々3Eだった方は2Aへ、と皆窓側に移ることに。搭乗率は全9席中3名の33%で、ただでさえ開放感のあるキャビンはより広く感じられるのでした。
機内食
シートベルトサインが消灯したところで速やかにディナーとなりました。このAF995便、19時50分にヨハネスブルグを発ち、翌朝5時45分にパリに着くという深夜便ですので、その流れは納得です。キャビンの灯りは落とされていましたが、ほかのお二人も食事をされるようでしたので「起きてて大丈夫だなよな、俺・・・。」と少し安堵。
ちなみにいたるところで目にするエールフランスのコーポレートロゴのこの馬。どうやら馬でないようでした・・・。
“APPETISER” Cocktail tomato with goat’s cheese, smoked salmon toast and avocado mousse, 美食の国のフラッグキャリアらしく、担当のクルーさんがひとつひとつ、お料理の説明をしてくれいます。英語は堪能でないとは言ってありましたので、ゆっくりとシンプルにと気を遣って頂けているのは非常にありがたいです。。。
ワインはこの担当クルーさんに丸投げでお願いする事に。アペタイザーはシャンパンで。
バター要らないぐらい味わい深く美味しいブレッド類。でもでもせっかくなので、美味しいバターたっぷりで頂きます・・・。
“STARTER” Duck foie gras with apricot and walnut salsa.
担当クルーさんが「スイートワイン」と言って勧めてくれます。
凄まじく甘さが濃厚でしたが、それでもこれまた濃厚な脂のフォアグラを美味しく完食することができました。
“SOUP” Cream of leek and potato. leekは頻繁に英語のメニューで見掛けるので覚えるようになりました。長ネギと理解しています・・・。
“DISH” Grilled fillet ob beef with green pepper and foie gras sauce. ソースとありますが、まんまお肉の上に乗ってるフォアグラが美味い・・・!ステーキよりもずっと。。。
このステーキのワインについて担当クルーさんは、「ボルドーのフルボディとブルゴーニュのミディアムボディで結構違うから、テイスティングしてみて!」と。ワインも堪能ではない私にとっては拷問以外の何ものでもありませんが、やっぱりゆっくり丁寧に、そして笑顔で接してくれる担当クルーさんに不義理はできないで挑戦してみます・・・。
「ミディアムボディの方でお願いします。。。」と恐る恐るお願いする私に、担当クルーさんは「私もそうするわ!」と優しくフォローしてくれます・・・。きっともう片方でもそう言ってフォローしてくれるんだろうな、と感じましたが、お心遣いに甘えさせてもらい、お肉も完食するのでした。
フォアグラ・お肉と完食したので、食後のチーズ(←元々あまり得意ではない)もパスしたところ、見かねたクルーさんが「アイスクリームはどう!?」ととびっきりの笑顔で勧めてくれます。(うぅ・・・、断り切れない・・・)と思い、種類を確認した後に「バニラだけ1スクープで」とお願いしたら、これが来ました・・・。もはや親切ではなく「弄ばれているんじゃ・・・?」という考えが頭をよぎります。。。
しかしながら「どれがお好みでした?」と食べ終えたタイミングを見計らってコーヒーをサーブしながらニコニコしてるクルーさんに、やはり悪意は全く感じられず。本当に親切にして頂けていると感じ、ありがたい限りです。
ベッドポジション
食後は速やかに就寝します。
約11時間の飛行時間、残り8時間15分のところで就寝。
目が覚めたのは残り2時間19分のところ。6時間ほど熟睡していたようです。
時間はまだ早朝3時過ぎですが、起きる事にします。
機内散策
真っ暗の中ですが、機内散策に出ます。メインデッキ最前方、上はビジネスクラスのアッパーデッキなので後ほど上がってみます。
その階段脇に専用ラウンジのような設えが。ここがラウンジなのは初めて見ます。
乗客3名だけなので、全然減っていません・・・。
トイレはR側に1ケ所のみ!大体2ケ所なのに、1ケ所なのもエールフランスが初めてです。
その代わり、隣にファーストクラス専用の更衣室がありました。
なるほどの心遣いです、エールフランス・・・。
トイレよりも充実しているように感じられます。
ISMのデスク。撮影とアップロードの許可をお願いすると、読んでいた雑誌を手に持って席を空けてくれました。ジャン・レノみたいなISMさんに感謝!
そしてアッパーデッキへ。前方左側はWCになっていましたが、右側だけこのようなラウンジに。というより何かギャラリーのように感じられます。
そしてビジネスクラスキャビンを覗いてみます。完全に就寝モードです。ですので速やかにメインデッキに戻ることとします。
パリ到着
到着1時間半前の朝食。「オレンジジュースとオムレツだけ下さい」とお願いしたのに、相変わらず親切な担当クルーさん。ブレッド類は余ってる全部出しちゃえ的な感じも窺えなくもなりですが・・・。
パリの夜景を眺めながら、シャルル・ド・ゴール国際空港に到着。シップサイドで待っていたコートのGHさんに付いて行くファーストクラスの乗客3名。先頭のお兄さんは、この後ラウンジでもご一緒になり、「あー、JNBからご一緒でしたね!」と少し会話をさせてもらう事に。パートナーさんとラウンジで待ち合わせをしてドイツに帰るという事でした。
そして待ってました!のファーストクラス専用車でラウンジまでの送迎。
例によって助手席に乗り込みます。
このグランドレベルでのヒコーキを眺めるのは格別。まだ暗いのが残念ですが。
A380を眺めながら専用車は進んでいきます。10分ほど乗車時間はあったかと思います。
やがて専用車はとある建物に到着。今までにシャルル・ド・ゴールで経験したことのないぐらい、優しく丁寧な検査でファーストクラス専用のセキュリティをパスして、エールフランス・ファーストクラス専用ラウンジ”LA PREMIÈRE”に向かうのでした。
搭乗を終えて・・・
マイルでの搭乗が非常に困難なエールフランスのファーストクラス。その所以は先ずエールフランスのFFP:フライングブルーでシルバー以上の上級会員でないと、特典ファーストクラスは発券できないという事です(現在はゴールド以上に変更になっているようです:2019年10月15日から適用)。どれだけマイルをかき集めてきても上級会員でなければ発券できないというハードルの高さ。本当にエールフランスに貢献した人でないとファーストクラスは開放しないという、同社の敷居は何と高い事でしょうか。。。私なんかは2017年10月のフライング・ブルーVISAカードのキャンペーンでゴールド会員を取得、翌年ソフトランディングでシルバー会員に留めておいてもらったおかげで、何とか発券するに至りました・・・。本当にラッキーでした、またもやヒコーキの神様に感謝せねばです!
しかしながら、その搭乗の困難さに見合うハードであったかというと、さすがに導入から年数も発ち、退役が決定している機材であったため、そこまで感激・驚愕するようなシートではなかった、というのが本音です。エミレーツ77Wの新ファーストクラスやシンガポール航空の新スイートと比較すると、ですね・・・。それでもやはりファーストクラスの真価はハードだけでは決まらないとかねてから申し上げている通り、担当クルーさんの接客は秀逸で、地上サービスまで含めて考察しますと、さすがエールフランスと言わざるを得ません! 何よりも、あのオープンタイプのシートが、メインデッキに設置された事による開放感は前述の通り、今まで搭乗して来たファーストクラスの中では一番だったように感じます。
ゴールド会員以上でないと発券できない、そして何よりA380自体が2022年までに全機退役してしまう・・・、こんな中で搭乗が叶ったのは返す返す幸運だったと実感しております。