目次
SINGAPORE AIRLINES “New First Class”
昨年7月のシンガポール航空:最新スイート”New A380 Suites”に乗る為の旅。
その最新スイート”New A380 Suites”では、新スイート全6席の乗客は自分だけという極上の貸切体験をさせてもらいました。
そしてこのシンガポール~香港のフライトが『シンガポール航空:新・旧スイートを両方制覇する旅』の締めとなります。と言いましても、旧スイートも既に上海・浦東~シンガポール、シンガポール~シドニーで搭乗していますので、既に制覇しています。香港まで、もう一度最後に旧スイートに乗っても良かったのですが、せっかくなのでこのフライトは敢えてB777-300ER(77W)のファーストクラスを体験してみる事にしました。
ファーストクラス専用チェックイン
いつもの通りMTRで空港にアクセス。そうしますとターミナル3の真反対にある【ファーストクラス専用チェックイン】までトボトボと長い距離を歩いていく事になります。
途中、ファーストクラス専用のカウンターも開いては・空いてはいましたが、ここはやはり、くじけずに専用チェックインを目指したいところ。(ブログ的にも) そしてターミナル3内から入口に到達。
「こんなに椅子、必要ですか!?」と思える広さ・・・。タオルとミネラルウォーターも出てきて、もはやラウンジです・・・。
単純な香港行きにさほど時間が掛かる訳もなく、チェックインは直ぐに終了。ちょっとお相手してくれた方に待って頂いて、少しだけ撮影をさせてもらいます。
利用者は私のみ。
敢えて外にも出てみました。気分だけはタクシーで乗り付けたつもりで。。。
撮影を終えると、担当の方にアテンドされ、これまたファーストクラス専用の出国審査へ。
抜けると直ぐにシルバークリスラウンジがありました。素晴らしい動線です! そのままこの旅3回目となるプライベートルームへ・・・。フライトは18時30分なのですが、この時まだ13時過ぎ。。。
ドンペリ1本空けるほど堪能させてもらいました。
ボーディング
シャワーで湯・水を繰り返す事で酔いを覚ませる事もできました。いつものルーティンの為に早めにプライベートルームを後にしてゲートに向かいます。
シンガポール航空ですから、ちゃんと搭乗機がスポットに入っています。
機材は【B777-312ER】、Ship No.は【9V-SNA】。
搭乗開始と共に、誰もいないファーストクラスキャビンを撮影すべく、PBBを一番乗りで進みます。
そしてL1ドアで待機されていた男性パーサーさんらしき方に許可をもらって撮影を開始。
この77W、2種類ファーストクラスがある中で、幸運にも“New First Class”と呼ばれる方のものでした!
しかもファーストクラスは、1-2-1のコンフィグで1列のわずか4席だけという仕様の方。こちらはPY装備の264席仕様のようです。同じ1-2-1のコンフィグで2列の方は、PY無しで278席仕様との事。
事前座席指定の段階で、4席全て埋まっている事が分かっていましたので、他のF乗客の方が搭乗して来る前に撮影を進めていきます。
シンガポール航空でもファーストクラスキャビンにはオーバーヘッドビンがありません。
故に天井がとても高く感じられます。
1Aに乗客の方みえましたので、ファーストクラスキャビンの撮影を終える事とします。
シート
例によって窓側を事前座席してあり、自席は【1F】となります。それにしても、1-2-1のコンフィグなのに座席幅が異様に広いです。
同じ1-2-1というコンフィグのANAやJALと比較すると、窓側の膝高の壁の部分が薄く、その分が座席幅の広さに反映されているのだと感じます。
その代わりと言っては何ですが、全長はやや短いかもです。
担当の緑服さんからご挨拶を頂き、炭酸水をリクエスト。
シートの撮影を続けます。「時間のある内にフルフラット状態を・・・」と思ったのですが、フルフラットにするボタンが無い! リクライニングやレッグレストはあるのですが・・・。そこで緑服さん尋ねてみると、シート背面のボタンを押して、シートをバタンと前に倒すではないですか!?
これは斬新・・・! こういう仕組みも他とは一味違う・・・、さすがシンガポール航空!!
そして漸く着座し、今度はシート周りのチェックを始めます。モニターは標準。
モニター下のカウンターにはテーブルが収納され、更にその下にはオットマン兼、同行者用のシート。
前述の通り、ファーストクラスキャビンにはオーバーヘッドビンがありませんので、荷物はココへ。
テーブルはこのレバーとボタンで稼働します。
4枚スライドで、手前に引きよせてくる様子です。
先程のモニター右下にAC電源。これは手元から遠いので、個人的には苦手な位置・・・。
そこから手前に、縁取られたサイドテーブルがあり・・・、
その下がシートポケットになっています。
シート周り右手を見ていきます。
アームレスト下・・・、
フタをスライドしてみると、メガネとかペンの収納に最適なスペースが登場。
調整できるリーディングライト。
視線を正面に戻します。ブレていますが、モニター左には化粧鏡?が内蔵されています。
その下が収納になっていて、入っていたのは・・・、
ヘッドフォンと・・・
スリッパ・ソックス。
シート周り左手です。
こちら側にもリーディングライト。
ヘッドフォンのフック。これは気が利いていますね!
先程シートをフルフラットにしようとして、いじくり廻していたのはコチラのコントローラーです・・・。
左側にもアームレスト下には何かありまして、当然こういうのは開けずにはいられない性分です。
左にスライドさせると・・・、
IFEのコントローラーが内蔵されていました。
一通り確認を終え、最後に『安全のしおり』をチェック。
こうして見渡して&操作してみますと、1-2-1のコンフィグでありながら、同じ77Wのキャセイ:1-1-1のコンフィグに負けないくらい広く、そして装備も申し分ない、素晴らしいファーストクラスのシートだと感じます! あとは他社とは全く違うフルフラットポジションへの変形をどう捉えるか?ですが、これは個人の好みによるのかもですね。
機内食メニュー・ワインリスト
身動きができないタキシングの時間が訪れましたので、この時間を利用して、もう一つのルーティン:機内食メニュー&ワインリストの撮影を始めます。(今回も例によって周回遅れ(1年前の事)なので、拡大画像にはしてありませんです。。。&スライドショーでご覧下さい)
あとファーストクラスの記事だけで、ANA×3、LH×2、TG×4がアップできずにいますので、当分は周回遅れが続きそうです・・・。
機内食
このフライトのルート。こんな素晴らしいシートでこの短距離はもったいない・・・。ただSQ2便は香港からの後、サンフランシスコまでの長距離を飛んでいきます。
香港まではたったの3時間・・・。
お隣さんはいきなりベッドメイクをお願いされていました。セット一式が出てきたのは、モニターの奥のスペースからです。このガルウイング的な収納には思わず笑ってしました! ガルウイングを思い出し、とても懐かしいと感じたからです。。。
ガルウイングを撮っていたら、今度は自分が緑服さんに笑われてしまう始末で、おまけなのか?自分とこのガルウイング内から枕だけもらいました。何故に???
やがて始まったドリンクサービスで出てきたKRUGは、今までの3便と違ってノン・ヴィンテージの方でした。
相変わらずKRUGに自分は選ばれていない、ダメな飲み手だと感じます。。。
ナッツで自分を慰めてから・・・、
エミレーツでお世話になってきたドンペリにしてもらいます。
まだまだこちらの方が美味しいと感じてしまいます。。。シャンパン修行も精進せねばです・・・。
短距離路線なので、機内食も速やかに頂きます。
お隣さんは就寝中でも、緑服さんがお一人で他の3名を対応。なかなか大変そうです。
きっとギャレーもドンペリをサーブしてくれたパーサーさんがお一人で回しているのだと思われます。そのおかげで温かいガーリックトーストはキャセイの物にも引けを取りません。
こちらはチェーサーとしてのお水。
“Appetiser” Warm Oven Baked Scallop この帆立、すごく美味しい! と言いますか、帆立は食感メインなので、この周りのソースが絶品という訳ですね!!
“Soup” Double Boiled Sea Whelk
“Salad” Salad of Baby Spinach, Arugula, Frisee, Sun-Dried Tomato and Kalamata Olives
ここでお酒を止め、炭酸水に。そもそもプライベートルームで飲み過ぎています・・・。
そして”Main Course”となるのですが、この便も“Book the Cook”の対象でしたので・・・、
和牛を頼んでみる事にしました。「きっとシンガポール航空なら抜群に仕上げてくれるはず!」という期待を込めて・・・。
そしてサーブしてもらった”Wagyu Sirroin”!
しかし・・・、サーロインってこんな塊肉のような部位でしたっけ???
この断面でお分かり頂けると思いますが、和牛サーロインとは程通り、全く脂身を感じないパサパサした食感・・・。いくらシンガポール航空と言えど、日本で食べるような質まで求めてはいけなかったです。残念。
デザートは”Buttermilk Cherry Parfait”
そして締めは中国茶:プーアル茶です。
お茶をすすりながらゆっくりしていると、今まで寝ていたお隣さんが急に起き上がり、ベッドを引くように緑服さんに言い付けたかと思うと、続けざまに食事のオーダーを始めました! 到着まであと1時間10分ほど・・・、「えー!、今から食べるの!?」と驚いたのは私だけではないはずですが、その辺は緑服さん、さすがです。実にスマートに対応され、ベッドを速やかに片付け始めました。私はせめて緑服さんのお手を煩わせる事がないよう、機内散策に出る事にします。
機内散策
たった1列のファーストクラスですが・・・、
真ん中のペアシートの背後には、このような通路がありました。これは乗客対応をするクルーさんにとっては、実に使い勝手の良い通路だと感じます。
そして一気にBコンの最後尾へ。ビジネスクラスまで1-2-1のコンフィグなのは、以前からSQの特徴になっていますね。そして1席の空席もなくビジネスクラスも満席なのところも、SQさすがだと感じます・・・。
こちらファーストクラスの直ぐ後ろ、Aコン後方のビジネスクラスキャビン。こちらは3列が配置されています。大抵の77Wだと1列、もしくは2列配置なので、SQの3列は若干の詰め込み感は否めません。
散策の最後にシップナンバーのプレートを捕獲して、自席へ戻るのでした。
香港到着
そうしている内にフライトも最終盤。3時間はあっという間でした。
香港到着後は以前アップしました、プラザ・プレミアムが開設したての【FIRST】ラウンジで夜を明かし、翌日の帰国フライトに備えるのでした。
搭乗を終えて・・・
正直、A380の旧スイート、そして新スイートと比較をすると遠く及ばないシンガポール航空のファーストクラス。
しかしながら多くの会社が77Wをフラッグシップとして、そこにファーストクラスを装備している事を考慮しますと、このファーストクラスはそれらと比較しても全く遜色なく、むしろ1-2-1のコンフィグの中では最大の座席幅を誇るプロダクトだと言っても過言ではありません。あとは好みの問題だと思います。それは座席が表か裏かの完全二択であるが如く【椅子】か【ベッド】がどちらかを選ばないといけない事です。私としては二度寝をする事は多くはないので、こちらのシートの評価は頗る高いです。故にいつか、今度は長距離線でその真価を堪能したいと思っています。